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新型コロナワクチンの追加接種は交互接種の方が効果的

新型コロナワクチンの追加接種は交互接種の方が効果的

公開日:2021.12.28

新型コロナワクチンの2回目接種を完了した人の3回目の追加接種「ブースター接種」が医療従事者を対象に開始されています。追加接種による中和抗体価の増加で新型コロナの発症や重症化の予防効果が期待されますが、選ぶワクチンの種類によっては産生される中和抗体価が大きく異なるようです。追加接種の副反応については、ファイザー製、モデルナ製ともに2回目の接種後の発現傾向と同等と考えられています。

追加接種で発症、重症化の予防効果

新型コロナワクチンの多くは2回の接種が基本ですが、ワクチン接種から時間が経つにつれて免疫力が低下するとされます。また、感染力の強いデルタ株やオミクロン株などの変異ウイルスの流行でワクチンの効果が低下するとの懸念が出ており、追加接種の必要性が指摘されています。ワクチン接種を終えた人の免疫を強化するため、日本では、12月から医療従事者を対象に追加接種がスタートしました。来年1月からは高齢者を中心とした一般に拡大され、3月からは職域接種が始まる運びです。接種の対象は2回目の接種から原則8ヶ月以上経過した18歳以上ですが、医療従事者や高齢者施設の入所者などは接種間隔を6ヶ月に、一般の高齢者も7ヶ月へ短縮する方針が出されています。追加接種としては、ファイザー製とモデルナ製のワクチンが薬事承認され、接種希望者はこの2種類から選ぶことができます。モデルナ製は1回あたりの投与量はこれまでの半分の0.25mLとなります。

イスラエルで実施されたファイザー製ワクチンの接種後の情報を集めた研究では、追加接種した場合の入院予防効果は93%、重症化予防効果は92%、死亡に対する予防効果は81%でした。さらに、60歳以上で追加接種を受けた場合では、追加接種を受けなかった場合と比較して感染例の発生率が約11分の1、重症例の発生率が約20分の1であったという報告もあります。尚、イスラエルは12月21日に、60歳以上の高齢者と医療関係者を対象に、4回目接種を始める意向を明らかにしました。

ワクチンの組み合わせで中和抗体価が異なる

Atmar RL,et al.MedRxiv.Oct 15,2021. / Munro APS, et al. Lancet Dec 18-31, 2021.より改変

追加接種に関しては、1・2回目と異なるワクチンを打つ「交互接種」が注目されています。米国の研究調査によると、ファイザー製、モデルナ製、ヤンセン製の接種完了者約460人を9群に分けて3種類のワクチンを追加接種した結果、1・2回目にファイザー製を打った人では、追加接種前と比較した15日後の中和抗体価は3回目がファイザー製だと20.0倍、モデルナ製だと31.7倍、ヤンセン製だと12.5倍でした。1・2回目にモデルナ製を打った人では、3回目がモデルナ製だと10.2倍、ファイザー製だと11.5倍、ヤンセン製だと6.2倍でした。すなわちワクチンの組み合わせによって中和抗体価が異なりました。3回接種で中和抗体価は大幅に増えるので発症や重症化を防ぐ効果はあるとみられています。なお、この試験ではモデルナ製は3回とも同量を接種しています。

また、英国の調査によると、アストラゼネカ製のワクチンの2回接種を完了した30歳以上を対象に、追加接種でファイザー製、モデルナ製、またはアストラゼネカ製のワクチンを受けた時の抗体価を測定すると、対照群(髄膜炎菌ワクチン接種)と比較して最も抗体の高かったのはモデルナ製の27.17倍で、ファイザー製14.43倍、アストラゼネカ製2.58倍でした。

副反応は2回目とほぼ同等

ワクチンの追加接種の副反応としては、ファイザー製、モデルナ製いずれも、米国で実施された交互接種を伴わない追加接種の臨床試験の結果、有害事象は2回目の接種後に確認されたものと比較して、その発現傾向は概ね同等であるとされます。ただし、2回目接種時と比較して、リンパ節の腫れの発現割合が高いこと(ファイザー製5.2%、モデルナ製20.4%)が報告されています。なお、米国CDCのデータによると、いずれのワクチンにおいても、追加接種後1週間以内に見られた様々な症状(局所及び全身性の反応や、健康状態、日常生活や勤務への支障等)は、2回目接種後と比較して、その発現割合が低かったといいます。

交互接種を伴う追加接種の副反応は、1・2回目で報告された副反応と同程度であり、また、交互接種を伴う追加接種と、交互接種を伴わない追加接種の間では、副反応は同等であったとする報告が出されています。

オミクロン株に対するワクチンの追加接種の効果については、モデルナ社が米国立アレルギー・感染症研究所と米・デューク大学と協力して、オミクロン株に対するワクチン効果を検討したところ、モデルナ製を1・2回目の半量を追加接種することで、2回目接種よりも中和抗体価が37倍になったとしています。また、ファイザー社もファイザー製を追加接種をすればオミクロン株に対する中和抗体価が既存の2回接種時より25倍増加したという研究結果を発表しています。

「有害事象とは、接種後に生じる好ましくない症状のことであり、接種との因果関係があるか分からない、もしくは直ちに判断できない事例を含みます。」

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アソースナビ編集部

メディアスグループは、医療機器の販売を中心とした事業を展開しています。医療に携わる私たち(Medical+us)は、医療現場や人々の健康的な明日へ役立つ情報をお届けする情報発信源(Media)の役割も果たしていきたいと考えています。

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