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メタバースの医療分野での活用

メタバースの医療分野での活用

公開日:2023.02.21

インターネット上につくられた仮想空間「メタバース」が注目を集めています。 仮想空間とは現実と違うもう一つの世界のことで、利用者の分身「アバター」で参加するのが特徴です。これまでメタバースは、主にゲームなどのエンターテイメントを中心に発展してきましたが、医療分野での活用に関心が高まっています。

現実世界と異なる3次元の仮想世界

メタバースは、「超(メタ)」と「宇宙(ユニバース)」を組み合わせて「超越した世界」を表す造語で、現実世界と異なる3次元の仮想世界です。多くはVR(Virtual Reality:仮想現実)や AR(Augmented Reality:拡張現実)の技術によって作られた仮想空間で、分身となるアバターを使って他の利用者とコミュニケーションを取るなど社会性を持ったいろいろな活動ができます。

バーチャルホスピタルで治療の擬似体験も

メタバースはこれまで主にゲームに活用されていましたが、医療分野にも導入が始まっています。昨年4月、順天堂大学病院は日本IBMと連携し「順天堂バーチャルホスピタル」を設立し、共同研究を進めています。外来患者や家族がアバターとして病院を訪問し、バーチャルで体験できる環境を開発中です。例えば、うつ病患者さんの認知(ものの受け取り方や考え方)に働きかけて、気持ちを楽にする心理療法がありますが、アバターを活用することで治療の効果を高めることが期待されます。また、説明が複雑になりがちな治療をバーチャルホスピタルで擬似体験してもらうことで、治療に対する患者さんの理解を深め、不安や心配を取り除く効果も期待されます。とりわけ、小児科で子どもの病気への理解を助ける手段に使える可能性は大きいと考えられています。このほか、診察の予約や問診、支払いといった業務などをバーチャル空間で代替させることで、医療従事者の業務負担を軽減できる狙いもあるとされます。また、外出が困難な入院患者さんが病院の外の仮想空間で家族や友人と交流できる「コミュニティ広場」も構想中で、現実と同じようにその場に一緒にいるような感覚を生み、会話や交流を促進する効果が期待されます。

「こころの保健室」で引きこもり支援

一方、福井県越前市では引きこもりの人が対面せずに悩み事を話せるように、メタバースを活用して医師や保健師に相談できる「越前市メタバースこころの保健室」を2月14日からスタートさせました。悩み事を相談したい人は、匿名でメタバースの中で、オンライン上の分身である「アバター」を通じて、引きこもりに詳しい医師や保健師と話すことができます。「越前市メタバースこころの保健室」は、デジタルヘルス事業を展開する「comatsuna」との官民連携プロジェクトで、協定を結んで実施するものです。仮想空間プラットホーム「DOOR」に、市役所5階の展望ラウンジを模した空間を作り出し、引きこもりに関する情報提供のほか、アバターなどで匿名での交流が可能となります。実際に顔を合わせてのコミュニケーションではうまく話せないことがありますが、メタバースでは自分の分身である「アバター」を使ってコミュニケーションを取り、匿名だからこそ自己開示できるという効果が期待されます。また、メタバースは視覚的にもリラックスした空間を創出できるので、相談者にとって安らげる空間でコミュニケーションを図れます。このプロジェクトは7月末までの期間、曜日と時間を限定した予約制での取組みとなっています。

医師や看護師の研修にも活用

医療分野でメタバースを活用することにより次のようなメリットがあるとされます。①仮想空間を通して患者は来院しなくても医師に相談ができる②アバターを活用して同じ悩みを持つ患者同士がつながりを持ちやすくなる③VRを活用した遠隔でのロボット治療の実現④仮想空間で医師や看護師の研修ができる。このように医療分野にメタバースを活用することには大きなメリット、将来性を秘めていますが、患者の安全性の確保や個人情報保護などの課題も残されています。メタバースを活用し、便利に質の高い医療が受けられる時代の到来がそこまで来ているのかもしれません。

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アソースナビ編集部

メディアスグループは、医療機器の販売を中心とした事業を展開しています。医療に携わる私たち(Medical+us)は、医療現場や人々の健康的な明日へ役立つ情報をお届けする情報発信源(Media)の役割も果たしていきたいと考えています。

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