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アフターコロナに症状が出現し、病院を受診するがん患者は「万単位」の予想

アフターコロナに症状が出現し、病院を受診するがん患者は「万単位」の予想

公開日:2021.3.22

新型コロナウイルスの感染拡大により、がん検診の受診者の数がコロナ禍前と比べて大幅に減少している。感染を懸念して受診を控える向きが増加したのが理由とみられるが、気づかぬまま症状が進行している可能性もあり、専門家は、過度な受診手控えに警鐘を鳴らしている。

がん発見の遅れによる進行がんの増加が懸念

自治体が実施するがん検診は、がんを早期発見し死亡率を減少するために実施され、年間、延べ約1,100万人が受け、約1万3,000人のがんが発見されている。

出典:対がん協会報第694号(2020年11月1日)


 
各地でがん検診を進めている日本対がん協会が新型コロナウイルスの影響を調べるため、昨年8月に全国のうち31支部を対象にアンケートを実施し、29支部から回答を得たところによると、がん検診の受診者はコロナ禍の昨年1〜7月の累計が前年比55%減となっていた。胃・大腸・肺・乳房・子宮(頸)など5種類のがんについて検診を受けた人は昨年3月以降減少し、一昨年の同時期に比べて3月は約64%、4月は約16%、5月は約8%、6月は約35%、7月は約62%になるなど大幅な減少がみられた。一部検診の休止のほか、感染を懸念して受診を控える人が増加したのが原因とみられる。半数以上の支部は、2020年度の受診者は例年に比べて約3割(約330万人)減少するものと予測している。これが現実のものとなると、約4万人のがん患者が昨年度に見逃される計算となる。

出典:日本対がん協会作成の受診勧奨チラシより


がんは1cmの大きさになるまでには10〜20年の時間を要するが、1cmから2cmになるのは1〜2年の間とされ、その時期は早期とされる。その後、がん細胞が急速に増殖するため、そうなる前に発見することが重要とされる。新型コロナウイルスによる死亡者数は約8,600人だが、がんの見逃しによる死亡者数がそれを上回る事態が懸念されている。

がん検診は不要不急の検査ではない

日本対がん協会のホームページの動画シリーズ「がん患者さんのための新型コロナウイルス対策」のなかで東京大学医学部附属病院准教授の中川恵一氏は、がん検診は不要不急の検査ではないとし、「このままでは進行がんになってから発見される人が増え、がんによる死亡率が上昇してしまう。1年以上検診を先延ばしするのはリスクが大きいので、昨春に検査を見送った人は是非とも3月までには検査を受けてほしい」と訴えている。

がん検診を行う側としては、安全、安心に受診してもらうため、手洗いやマスク、検温、機器の消毒などの基本的な事項に加えて、予約に基づく時間帯別の受付を実施するなど、密を避ける工夫をしているという。