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感染力が強く重症化リスクが高いコロナ変異株が流行

感染力が強く重症化リスクが高いコロナ変異株が流行

公開日:2021.4.27

新型コロナウイルスが感染再拡大しています。その要因となっているのが感染力が強く、重症化リスクの高い変異株の流行です。厚労省によると、ゲノム(全遺伝情報)解析で確定した全国の変異株感染者は4月20日までで1,646例で、その内訳は、英国株が1,562例(94.9%)、ブラジル株が62例(3.8%)南アフリカ株が22例(1.3%)となっています(E484Kはスクリーニング検査の対象外)。これらの株はN501Y変異を持つ英国由来の系統といわれています。特に大阪府など関西圏の新規感染者の大半は英国株とされます。

英国株は50代以下の重症化率が高い

新型コロナウイルス表面のスパイクたんぱく質は、1,273のアミノ酸によって形成され、このうち319番目から541番目までのアミノ酸は、レセプター・バインディング・ドメイン(PBD)といって、ヒトの細胞の受容体アンジオテンシン変換酵素(ACE)2に接合します。N501Yは、このPBDに変異が起きたもので、501番目のアミノ酸がN(アスパラギン)からY(チロシン)に置換され、ウイルスがACE2にくっつきやすくなったと考えられています。

英国株は、感染者1人が何人に感染させるかを示す「実効再生産数」が従来株の0.94と比べて1.32倍と感染力が強いとされます。英国の報告では感染力が1.7倍とされています。また、英国株は重症化リスクを高めるとされます。大阪府では第3波での重症者の割合が50代以下では17.5%でしたが、変異株感染者では、35.6%%までに上昇しています(令和3年4月19日時点)。また、発症から重症化までの日数も、従来株は平均8日でしたが、変異株は6.5日と早まっています。英国株は従来型と比べて、こどもにも感染しやすくなっており、英国株の感染者の約20%は、10代以下となっています。

E484Kは免疫が効きにくくなる「免疫逃避型」

東京都健康安全研究センターによる4月12〜18日のスクリーニング結果を基に推計すると、東京では、変異株中、E484Kが約57%を占め、N501Yの約33%を上回っています。E484Kは、新型コロナウイルス表面のスパイクたんぱく質の484番目のアミノ酸がE(グルタミン酸)からK(リシン)に置換されたものです。感染力が著しく高くなったり、症状が強くなったりするなどの性質の変異化はないとされます。しかし、この変異があると、抗体の攻撃から逃れる性質を持つと考えられ、従来株よりも免疫やワクチン効果を低下させる可能性が指摘されています。厚労省は、N501Yほどの感染力は認められないとして、E484Kをスクリーニングの対象から外しています。

国内での報告例は少ないものの、「N501Y」と「E484K」の両方の変異があるウイルスとして、ブラジル株、南アフリカ株もあり、感染力が強く、ワクチン効果が低下する恐れが指摘されています。

インド由来とされる変異株による新型コロナの事例が4月26日までに国内で21例みつかり注目されています。これは、スパイクたんぱく質の主にE484Q[484番目がE(グルタミン酸)からQ(グルタミン)に置換]とL452R[452番目がL(ロイシン)からR(アルギニン)に置換]の2つの変異が起こったもので、感染力が強く免疫やワクチンの効果低下が懸念されています。インドでは現在、新型コロナの患者が急増しており、1日当たり35万人以上の感染者が報告され、変異株の影響が指摘されています。

このほか、PCRをすり抜ける新たな変異株もフランス国内でみつかっています。症状がみられたものの、通常のPCR検査では陰性を示し、下気道から検体を採取したPCR検査や抗体検査を実施したところ感染が確認されました。重症化や感染力が強いとの知見は得られていませんが、気づかないうちに感染が拡大する恐れがあり、新たな脅威となる可能性が考えられます。