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コロナワクチン接種後に懸念されるアナフィラキシーショック

コロナワクチン接種後に懸念されるアナフィラキシーショック

公開日:2021.5.10

新型コロナウイルスワクチンの接種直後に、数は少ないもの激しいアレルギー反応のアナフィラキシーショックが起きることが報告されています。コロナワクチンは従来のワクチンとは異なる技術を用いて開発・製造されており、先行して接種が始まっている欧米では、アナフィラキシーを来す頻度が従来のワクチンよりも高いことが明らかになっています。しかし、適切な処置をすれば回復可能で、深刻な事態に発展することは少ないとされます。

ワクチン投与15〜30分で発症することが多い

アナフィラキシーとは、食物のほか、薬の投与やワクチン接種後の副反応として起こることがあるアレルギー反応の1つです。その症状はさまざまで、最も多いのは、蕁麻疹、赤み、痒みなどの皮膚症状、次にくしゃみ、咳、息苦しさなどの呼吸器症状、目の痒みや浮腫、唇の腫れなどの粘膜症状、そして、腹痛や下痢、嘔吐などの消化器症状、さらに血圧低下などの循環器症状などです。2つ以上の臓器にアレルギー症状が同時に発現した場合、アナフィラキシーと呼びます。例えば、発疹と息苦しさ、息苦しさと腹痛、腹痛と鼻水、などが挙げられます。こうしたアナフィラキシーに血圧低下に伴う意識レベルの低下や脱力を来す場合をアナフィラキシーショックといい、適切な処置をしないと命に関わることもあります。

薬の投与やワクチン接種後に起きるアナフィラキシーは、投与直後~30 分以内に発症することが多いとされます。新型コロナウイルスワクチンによるアナフィラキシーも投与から15〜30分で発症することが多いとされます。既存のワクチンでは、アナフィラキシーが起こることは稀で、新型コロナウイルスワクチンでは、それに比較して頻度が高いことが報告されています。

接種数の増加によりアナフィラキシーの発生割合は減少傾向

アナフィラキシーの国際基準(定義)としては「ブライトン分類」があります。症状や血圧や脈拍数などのバイタルサインからその重症度を分類するものです。レベル1~5まで分かれており①1~3がアナフィラキシー②4が十分な情報が得られておらず症例定義に合致するとは判断できない③5がアナフィラキシーではない、といった具合いです。その基準を満たすための症状は、皮膚・粘膜症状や循環器、呼吸器、消化器の症状から構成されています。

国内で国際基準によりアナフィラキシーと判断されたのは、2月17日~4月22日の約251万回接種(ファイザー社の mRNA ワクチン、コミナティ筋注)のうち94件。接種100万回あたりに換算すると37件となります。接種数の増加により発生割合が減少傾向にあります。

第53回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会 資料1-5より

第一選択治療はアドレナリンの筋注

内訳としては、アレルギーの既往歴有りは33件、既往歴無しは58件。性別では、男性9件、女性85件となっており、30〜50代の女性に多いことが特徴的です。女性で多い理由としては、化粧品などに使用されるポリエチレングリコール(PEG)がファイザー製ワクチンに含まれることが推測されています。つまり、化粧品を多く使用する女性はすでにPEGに感作されているのではないか、ということです。また、既にワクチンを接種した医療従事者の構成比のなかで女性看護師の割合が高かったことも一因と考えられています。

ワクチン接種後にアナフィラキシーショックが起こった場合は、第一選択治療とされるアドレナリンを筋肉注射することが対処法となり、その後、気管支拡張薬等の吸入や抗ヒスタミン薬、ステロイド薬の点滴や内服なども行います。適切な対処で回復する場合が多く、深刻な事態に発展するケースは少ないとされます。