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インフルエンザ、今季は新型コロナと同時流行の恐れ

インフルエンザ、今季は新型コロナと同時流行の恐れ

公開日:2021.10.25

インフルエンザは、例年11月以降に本格的に患者が発生しますが、今季は、昨シーズンにインフルエンザにかかった人が少数だったため、社会全体の集団免疫が形成されておらず、大流行が懸念されています。また、新型コロナの第6波が予期され、インフルエンザとの同時流行の可能性もあり、医療崩壊を招く恐れも指摘されています。

昨シーズンは流行が激減

昨シーズンのインフルエンザの推定患者数は約1万4,000人で、一昨年の約729万人に比べて激減しました。その理由としては、新型コロナを警戒して、マスク着用や手洗いやうがい、ソーシャルディスタンスの確保、3密の回避などの対策を取る人が増えたことが挙げられます。また、出入国制限など水際対策も効果的だったと考えられています。このほか、新型コロナウイルスの流行により、他の種類のウイルスの流行が妨げられる「ウイルス干渉」の現象が起きた可能性も指摘されています。

集団免疫低下により大流行の可能性

今季(2021-2022年シーズン)は、昨シーズンにインフルエンザにかかった人が少数だったため、社会全体の集団免疫が低くなっており、大規模なインフルエンザの流行が懸念されています。集団免疫とは、集団の一定数が、ある感染症に対する免疫を獲得すると、集団の中に感染患者が出ても流行が阻止され、その感染症の蔓延を防げるというものです。集団免疫が低下すると、多くの人たちがインフルエンザに対する免疫を持っていない状況となるので、深刻で長期間にわたる流行が起こる可能性が指摘されています。また、新型コロナの流行が収まりつつあることで出入国の制限が緩和され、国境を越える人の移動が増えることも懸念材料となります。今のところ、オーストラリアなど南半球での流行はみられていませんが、バングラデシュ、インド、パキスタン、ネパールなど、日本と密接な関係にあるこれらの国では現在インフルエンザが流行し、A(H1N1)pdm09、A香港型(H3N2)、B/Victoriaウイルスなどが検出されています。これらの国からインフルエンザが持ち込まれることになれば、大規模なインフルエンザの流行を生じる危険性があります。

コロナとの同時流行ならば医療機関は大混乱

もし、今冬にインフルエンザの大規模流行が起きるとすれば、全国で1,200万人以上の患者が発生するので、コロナが同時流行すると、双方の患者が発熱外来のある医療機関に殺到し、これまでにない混乱をきたすことが予想されます。東京大学大学院経済学研究科の仲田泰祐准教授が、2020年11月から3ヶ月かけてコロナ前の社会活動に戻り、年末までにコロナワクチン接種率が人口全体の80%となることを前提としたシミュレーションをしたところ、東京都では2022年2月中旬ごろ第6波がピークを迎え、1日の新規感染者が1万人を超えるという試算を示しています。また、新型コロナの感染の増減は2ヶ月サイクルという仮説も出されていて、10月に底を打って増加に転じた場合、12月に再度ピークを迎えることも推測されています。

コロナワクチン接種を終えても感染するブレイクスルー感染が報告されており、発熱や咳があれば、コロナ発病の可能性は否定できません。また、新型コロナとインフルエンザの初期症状が似ているため、臨床現場では区別がつきにくいという難しい面もあります。

感染症学会がワクチン接種を呼びかけ

このため、日本感染症学会はインフルエンザワクチンの積極的な接種を呼びかけています。今シーズンのワクチン供給量は2,600万本(約5,200万人分)で昨シーズンより2割程度少なくなっています。インフルエンザワクチンは、合併症のある高齢者の重症化による入院防止効果のほか、低年齢の小児では発症防止効果があるとされています。英国政府も今季のインフルエンザ流行は例年の1.5倍の大きさの流行になる可能性があるとし、国民にワクチン接種を呼びかけています。

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アソースナビ編集部

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