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高齢者のコロナワクチン接種を加速させるための自治体の工夫

高齢者のコロナワクチン接種を加速させるための自治体の工夫

公開日:2021.07.01

新型コロナワクチンの高齢者向けの接種が進んでいますが、高齢者などの移動手段が課題となるなか、自治体によってはバスやタクシーの移動支援や打ち手など医療スタッフが居住地の近くまで出向く試みなどを実施し、ワクチン接種の加速化を図っています。

バスやタクシーの移動支援

6月26日時点で、65歳以上で少なくともコロナワクチンを1回接種した人は56%となっています。しかし、40%強の高齢者はまだ、接種しておらず、その理由の1つとして、医療機関や接種会場への移動手段がないなどの理由が考えられています。このため、ワクチン接種を担う自治体では、バスやタクシーの移動支援や医療スタッフが居住地の近くまで出向く試みなどが行われています。

東京都東村山市では、高齢者接種の期間中、公共交通機関の利用がしづらい地域を中心に全8コースで各地の臨時停留所と市内2カ所にある集団接種会場を結ぶ無料の送迎バスを運行しています。また、東村山駅と接種会場を結ぶ送迎バスも運行中です。集団接種日の午前8時台から午後5時台まで運行し利便性に努めています。

東京都練馬区では、ワクチン接種会場への移動が困難な高齢者(要介護3〜5)や障がい者を対象に、車いすやストレッチャーのまま利用できるリフト付きタクシーによる接種会場への送迎支援を行っています。予約料金、迎車料金、運賃、介助料金など送迎にかかる利用料金をワクチン接種1回の1乗車(自宅から接種会場の往復)に付き10,000円まで助成しています。東京都北区では、要介護の高齢者に加えて、要支援者と障がい者についてもワクチン接種会場までのタクシーでの移動支援を実施し、タクシー料金は全額無料としていますが、接種予約日の5日前までに配車取次センターでの電話予約が必要です。東京都昭島市では、65歳以上を対象に、ワクチン接種当日のタクシー利用時の費用助成を行っています。1回あたり500円を超えた分について助成するというもので、乗車時に助成を利用する旨を伝えてワクチン接種券を提示し、降車時に自己負担500円を支払います。

打ち手が居住地の近くまで出向く試みも

神奈川県大和市では、高齢者の負担軽減のため個別接種と集団接種の他に大和市独自の接種体制となる「別動隊」を新たに加えた「大和モデル」で実施しています。別動隊は、最寄駅から距離があり、周囲に医療機関が少ない2つの団地に日数を限定して会場を設定し、毎週3日間、医療スタッフ十数名が出向いて接種するというものです。団地にはそれぞれ約1,000人の高齢者が居住しており、1日約50人に接種を行っています。

コロナワクチン接種を希望しながらも医療機関や接種会場への移動手段を持っていない高齢者がいて、接種が進まない可能性もあるとみられています。介護なしで日常生活を送ることが困難な要介護4、5の高齢者は全国で約139万人、一人暮らしの高齢者は約700万人いるとされます。各地で地域の実情に合った自治体の支援策が行われていますが、さらなるきめ細かな対応が望まれます。

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アソースナビ編集部

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