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コロナウイルスから病院空間を守る非接触型体温計とサーマルカメラ

コロナウイルスから病院空間を守る非接触型体温計とサーマルカメラ

公開日:2021.3.4

医療機関の新型コロナウイルス感染拡大防止の取り組みとして建物の入り口や受付で非接触型体温計や非接触温度計(サーマルカメラ)を用いた検温スクリーニングが行われるようになってきました。医療機器として認定された非接触型体温計においても、使用する際には室温などの条件があり、体温の正確性においては、わきや口で測る接触型体温計に譲ります。しかしながら、コロナ禍のなかで非接触型体温計やサーマルカメラが持つ衛生的かつスピーディーな特徴は、事業用のスクリーニングには適しています。(図)。

図.接触型体温計、非接触体温計、サーマルカメラの比較

非接触で額の温度を測定

人や物質は赤外線を放出しており、放射量は温度の4乗に比例して高くなるほど量が多くなるとされます。非接触型体温計はこの赤外線の性質を利用して温度を割り出します。皮膚に接触せずに、ヒトの額の表面から発せられる赤外線量を測定し、舌下温度などに換算してデジタル表示されます。ハンディタイプで持ち運びが可能で、検温スタッフにより医療機関など多くの人を対象とした検温が簡単に行えます。使い方としては、額と測定センサーの距離を約0.5〜3cmとり、ONボタンを押すと電子音が鳴り、約1秒でディスプレイに測定結果が表示されます。


一方、サーマルカメラとは人体から放出された赤外線エネルギーを検知し、体温に変換して温度分布を色分けして可視化する装置で、仕組みは非接触型体温計と同じです。顔の額などを焦点にその体表面温度を測定、解析し体温表示に変換しています。測定距離は装置によって異なりますが、1〜3mのものが多く、無人で運用でき、こちらもコロナ対策として多くの医療機関の入り口などに設置されています。温度が低いときにはモニター画面上は青で、高くなるにつれて黄、赤で表示されます。設定温度以上(多くの医療機関では37.5℃以上)を検知すると、体温異常をアラート音などで知らせます。発熱の疑いがある人については、別室などで改めて体温計を用いて計測する使い方が一般的です。

非接触型体温計、サーマルカメラともに、外気温や日光の影響を受けやすいので、外部環境の影響を受けない場所で測定することが必要です。また、外部から来たばかりの人には、発汗や顔のほてりの影響を避けるためにも、少し時間を置いてから測定してもらうのが良いとされます。

AI搭載で顔認証や大人数同時測定が可能

最新のサーマルカメラは、人工知能(AI)を搭載しマスク着用の有無にかかわらず人の顔を判別し1秒以内で体温測定を行います。また、体温に問題なくてもマスクを着用していない人には音声で「マスクの着用をお願いします」とアナウンスを出せるようになっています。

さらに、非接触かつ完全ウォークスルー型で大人数を同時に体温を測定できるシステムも開発されています(メインイラスト参照)。病院の入口手前などに設置したカメラの前を通って建物に入る人々を顔認証で見分け、同時に約20人の体温を測定して、体温が設定以上の温度だった場合に、フラッシュと警報音が作動します。外来者はいったん立ち止まったり、カメラの方向に顔を向ける必要はありません。そして、パソコンやタブレットの管理画面に発熱者の顔と温度を画像とアラート音で通知するという仕組みです。小さい子供や車椅子の方には上下のカメラで同時検温が可能なモデルも登場しています。効率的に発熱者を検知することができるため感染拡大防止や集団感染防止などに適しているといえます。

「体温計」購入の際の留意点

「体温計」は医療機器ですので、製造販売をする場合には厚生労働省の認可が必要です。時々、「温度計」を「体温計」として販売しているものや、見た目や用途が明らかに体温計なのに「温度計」として売られているものがあります。これらは品質や安全性を確保するための基準をクリアできず、医療機器として認められなかったものだと思いますので、購入は控えたほうが良いでしょう。医療機器には必ず認可番号が記されていますので、注意して見てみると良いでしょう。