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コロナの重症化をいち早く察知するパルスオキシメーター

コロナの重症化をいち早く察知するパルスオキシメーター

公開日:2021.1.21

新型コロナウイルスの感染拡大のなかで、重症化の目安となる血中酸素飽和度を測定できるパルスオキシメーター(上写真)がクローズアップされています。

肺炎になり肺がダメージを受けると、肺から血液中に酸素が十分に行き渡らず、酸素飽和度が低下します。血中酸素濃度の測定は、新型コロナ患者の病状の判断目安として用いられています。医療機関ではパルスオキシメーターという機器を使い、患者の指先に装着して動脈血液中の赤血球ヘモグロビンが酸素と結合している比率を測定します。厚労省の研究班が策定した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き」によると、新型コロナウイルス感染症患者の血中酸素飽和度が「96%以上」は軽症、「93%超〜96%未満」は中等症Ⅰ(呼吸不全なし)、「93%以下」は中等症Ⅱ(呼吸不全あり)と評価しています。患者のICUへの入室や人工呼吸器が必要であれば、重症と判断しています。

従来は、動脈から採血しないと測定できなかったデータが簡便に得られるようになり、酸素飽和度は「血圧・脈拍・体温・呼吸数に次ぐ第5の生体サイン」ともいわれています。

測定上の注意としては、手を動かしたり、指が冷たいなどの末梢循環が悪いと正しく測定されません。また、マニキュアやネイルなどで光の透過が妨げられる場合も正確に測れないので、取り除いて測定する必要があります。喫煙も数値に影響を及ぼすので、注意が必要です。

手術中や睡眠時無呼吸症候群の検査にも使用

最近では、コロナ感染が疑われる発熱などの症状がある人の診察に、血中酸素飽和度のモニタリングを取り入れる医療機関も出てきています。

新型コロナウイルス感染症は、軽症であっても、顕著な自覚症状もないまま突然、急速に肺炎が進行し重症化する傾向があり、処置が遅れて死に至るケースも報告されています。こうした重症化の兆しは血液中の酸素濃度の変化に現れるため、パルスオキシメーターで連続的に測ることで、悪化時にいち早く処置につなげることができます。ホテル療養のコロナウイルス感染症患者には既にパルスオキシメーターが貸し出され、一部の自治体では、自宅療養者にも貸与されています。

パルスオキシメーターの用途としては、このほか手術中に用いられ、生命維持のための最低限必要な酸素供給が失われないように、酸素飽和度が連続的にモニターされています。また、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の簡易検査としても使われ、自宅で就寝時に自分で装着し酸素飽和度を記録することで、酸素濃度の低下時間や回数、脈拍増加などが測定できます。近年は医療機関内だけではなく、往診や訪問看護でも使用されています。

パルスオキシメーターは、操作が簡単で、家庭での購入も可能ですが、測定値がどのような体の状況を意味するかの判断は簡単ではありません。日本呼吸器学会では、「その人の状態やかかっている病気によっても異なるため、測定値の判断は主治医など医療専門の方の指導を仰ぐことをお勧めします」とアドバイスしています。