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事業等のリスク

 当社グループの経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のある事項は以下に記載のとおりであります。当社グループはこれらのリスクが発生する可能性を認識し、事業活動を行っております。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
 なお、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクのすべてを網羅するものではありません。

(1) 業界環境について

①国の医療政策について

 国の一般会計における社会保障費は全歳出の3分の1程度にまで膨大しているため、社会保障制度改革国民会議において、「医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等を目的とした基本方針」が発表されており、これにより「2025年モデル」(注)と呼ばれる医療機能の再編計画が実施され、医療費の増加が抑制されることが見込まれます。当社グループでは、このような医療改革に対して適宜・適時に対策を講じてまいりますが、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。

(注)2025年モデルとは2012年2月閣議決定された社会保障・税一体改革において示された2025年の医療提供体制であります。厚生労働省では、2025年を目途に高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、病床機能分化を進めるとともに、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の
構築を推進しています。

②償還価格の改定について

 償還価格とは、公的医療保険制度において医療機関が診療報酬として保険機関(一部は患者の負担)に請求できる代金のうち、医療材料として請求できる材料(特定保険医療材料)の請求価格であります。原則2年に1回行われる診療報酬の改定に伴い償還価格も改定されますが、改定価格は各々の医療材料によりすべて異なります。また、医療機関への販売価格及び仕入先からの仕入価格は、償還価格を基準にするものの、一定ではないことから、償還価格の改定による収益への影響額を事前に算定することは困難であります。しかしながら、当社グループが販売しております償還価格の対象となる特定保険医療材料は当社グループの販売高の3割程度を占めております。従って、償還価格の改定により、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。

(2) 今後の経営戦略について

①M&Aについて

 医療構造改革の推進(医療費抑制政策)に伴う医療施設の減少や複数の医療機関による共同購買の進展は、当社グループが属する医療機器販売業界においてM&Aや業務提携等による業界の再編成を促進するものと予想されます。このような状況の中、当社グループは経営戦略としてM&Aを推進していく方針でありますが、医療機器販売業界は中小規模の企業が多く、そのほとんどが非上場企業であり、財務内容の精緻化及び透明性において十分ではないものと認識しております。従って、事前調査は細心の注意を払い可能な限り正確に実施する考えでありますが、買収・合併後に簿外債務やコンプライアンス上の問題が発生する可能性があります。また、企業文化の融合や人事交流が円滑に実施できず人材が流出したり社内の融和が進まない場合あるいは基幹システムや業務手順の統合が徹底できない場合等には、業務の効率化やシナジー効果等、予測された効果が発揮できない可能性があります。

②新規事業について

 当社グループが新規事業に取り組む場合には、事前に十分な検討を行ったうえで事業計画が策定され、また、取締役会における承認のうえで行われます。新規事業の展開には先行投資が必要となるケースが多く、また、当該事業が安定して収益を計上するまでには相当の時間を要することが予想されるため、一時的に当社グループの利益率が低下する可能性があります。また、医療業界の環境変化等により当該事業が当初の事業計画通りに展開できなかった場合には、投資を回収できなくなる可能性や当社グループの販売額や収益に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 当社グループの事業に係る法的規制について
①医療機器販売に係る医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」)について

 医薬品医療機器等法では、高度管理医療機器(注1)、特定保守管理医療機器(注2)及び動物用高度管理医療機器を取り扱う医療機器販売業者については、許可の取得が必要となっております。また、本許可を取得するための要件として、販売管理者の設置や市販後のトレーサビリティ(履歴管理)のための情報化整備等、安全管理のための体制強化が義務付けられております。当社グループでは全営業拠点に販売管理者を設置しており、また、トレーサビリティシステムを導入して安全管理体制の強化を図り、各都県知事より許可を取得しておりますが、何らかの事情により、本法令に違反する行為のあった場合、当社の連結子会社の各事業所において高度管理医療機器の販売業及び貸与業の許可取り消し処分等が下されることにより、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。

(注1)高度管理医療機器とは、副作用、機能障害を生じた場合、人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある医療機器と定められています。
(注2)特定保守管理医療機器とは、保守点検、修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必要とし、その適正な管理を行わなければ疾病の診断治療又は予防に重大な影響を与えるおそれがある医療機器
と定められています。

②生物由来製品の販売に係る医薬品医療機器等法について

 医薬品医療機器等法では、医療機器販売業者は、事業所ごとに生物由来製品(注)を販売した際、販売先の住所・氏名その他厚生労働省令で定める事項に関する情報を、当該生物由来製品の製造承認取得者等(医療機器製造業者及び輸入販売業者)に提供することが義務付けられております。当社グループは生物由来製品を販売しているため、生物由来製品の販売情報を製造承認取得者に通知しておりますが、何らかの事情により上記義務を怠った場合には、当社の連結子会社の各事業所において高度管理医療機器の販売業及び貸与業の許可取り消し処分等が下されることにより、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。

(注)生物由来製品とは、植物を除く人その他の生物の細胞、組織等に由来する原料又は材料を用いた医薬品、医療機器等のうち、保健衛生上特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定する製品をい
います。

③医薬品の販売に係る医薬品医療機器等法について

 当社グループは医療機器に付帯する医薬品、体外診断用試薬等を販売しております。これらの製品を販売するには医薬品医療機器等法に基づき管理責任者の設置や保管設備の整備等が義務付けられております。当社グループは全営業拠点に管理責任者を設置するとともに品質管理体制を整備して、各都県知事より許可を取得しておりますが、何らかの事情により上記要件を満たせなくなった場合、当社の連結子会社の各事業所において医薬品販売業又は、動物用医薬品販売業の許可取り消し処分等が下されることにより、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。

④医療機器修理に係る医薬品医療機器等法について

 医療機器の修理を行うためには専門性・特殊性が求められるため医療機器修理業の許可を取得する必要があります。また、本許可を取得するための要件として修理業責任技術者の設置、継続的研修の毎年度受講、修理報告書の整理・保管が義務付けられております。当社グループでは修理業を行う営業拠点に修理業責任技術者を設置して管理体制の強化を実施し各都県知事より許可を取得しておりますが、何らかの事情により、本法令に違反する行為のあった場合、当社の連結子会社の各事業所において医療機器修理業の許可取り消し処分等が下されることにより、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。

⑤毒物及び劇物取締法について

 当社グループが販売している臨床検査用試薬の一部に毒物及び劇物取締法における毒物又は劇物の指定を受けている製品があります。当該製品の販売につきましては毒物及び劇物取締法に基づき取扱責任者の設置、保管場所の制限、譲受書の保存等が義務付けられております。当社グループでは該当製品を販売する営業拠点はすべて毒物劇物取扱責任者を設置し安全管理体制を整備して、各都県知事の登録を受けておりますが、何らかの事情により本法令の基準に適合しなくなったと認められた場合、当社の連結子会社の各事業所において登録取り消し処分等が下されることにより、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。

⑥福祉用具販売事業に係る介護保険法について

 介護保険法では、居宅介護福祉用具購入費の支給対象となる特定福祉用具(注1)は、都道府県知事より指定を受けた特定福祉用具販売事業者(注2)又は特定介護予防福祉用具販売事業者(注3)から購入されたものであると定められております。協和医科器械㈱及び㈱栗原医療器械店では、特定福祉用具の販売に当たり、全営業拠点に管理者及び福祉用具専門相談員を設置し安全管理体制を整備して、各都県知事より特定福祉用具販売事業者及び特定介護予防福祉用具販売事業者の指定を受けておりますが、何らかの事情により当該要件が満たせなくなった場合、当社の連結子会社の各事業所において指定取り消し処分等が下されることにより、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。

(注1)居宅介護福祉用具購入費の支給対象となる特定福祉用具とは、腰掛便座、特殊尿器、入浴補助具、簡易浴槽、移動用リフトのつり具の部分の5種目をいいます。
(注2)特定福祉用具販売事業者とは、介護保険法の要介護度1~5の要介護者を対象に特定福祉用具を販売する事業者をいいます。
(注3)特定介護予防福祉用具販売事業者とは、介護保険法の要支援度1~2の要支援者を対象に特定福祉用具を販売する事業者をいいます。

⑦福祉用具貸与事業に係る介護保険法について

 介護保険法では、介護保険法の支給対象となる福祉用具を貸与する事業者は、都道府県知事より福祉用具貸与事業者(注1)又は介護予防福祉用具貸与事業者(注2)の指定を受けることが義務付けられております。協和医科器械㈱及び㈱栗原医療器械店では、福祉用具の貸与に当たり、全営業拠点に管理者及び福祉用具専門相談員を設置し安全管理体制を整備して、各都県知事より福祉用具貸与事業者及び介護予防福祉用具貸与事業者の指定を受けておりますが、何らかの事情により当該要件が満たせなくなった場合、当社の連結子会社の各事業所において指定取り消し処分等が下されることにより、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。

(注1)福祉用具貸与事業者とは介護保険法の要介護度1~5の要介護者を対象に福祉用具を貸与する事業者をいいます。
(注2)介護予防福祉用具貸与事業者とは、介護保険法の要支援度1~2の要支援者を対象に福祉用具を貸与する事業者をいいます。

⑧医療機器販売に係る建設業法について

 当社グループの㈱栗原医療器械店において一般建設業の許可(内装仕上工事業)を取得しております。手術室、集中治療室、MRI等の医療機器販売契約に当たり工事に関わる一件の工事請負金額が500万円以上の工事が含まれる場合は一般建設業の許可を取得している必要があります。また、本許可を取得するための要件として一般建設業の経営業務を管理する責任者(実務経験5年以上の常勤役員1名)の設置が義務付けられております。㈱栗原医療器械店では本社に責任者を設置して県知事より許可を取得しておりますが、何らかの事情により、責任者を設置できない状態になった場合、一般建設業の許可が取り消しとなることにより当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。

当社グループの事業及び商品等に対する法的規制の内容
高度管理医療機器等販売業・貸与業 医薬品医療機器等法 医薬品医療機器等法第39条第1項の規定により許可を受けております。
動物用高度管理医療機器等販売業・貸与業 医薬品医療機器等法 医薬品医療機器等法第39条第1項の規定により許可を受けております。
医薬品販売業 医薬品医療機器等法 医薬品医療機器等法第24条第1項の規定により卸売販売業の許可を受けております。
動物用医薬品販売業 医薬品医療機器等法 医薬品医療機器等法第24条第1項の規定により卸売販売業の許可を受けております。
医療機器修理業 医薬品医療機器等法 医薬品医療機器等法第40条の2第1項の規定により許可を受けております。
毒物劇物一般販売業 毒物及び劇物取締法 毒物及び劇物取締法第4条の規定により登録を受けた業者であることを許可されております。
福祉用具販売事業 介護保険法 介護保険法第70条第1項及び第115条の2第1項の規定により指定特定福祉用具販売事業者及び指定特定介護予防福祉用具販売事業者の指定を受けております。
福祉用具貸与事業 介護保険法 介護保険法第70条第1項及び第115条の2第1項の規定により指定福祉用具貸与事業者及び指定介護予防福祉用具貸与事業者の指定を受けております。
一般建設業 建設業法 ㈱栗原医療器械店は、建設業法第3条第1項の規定により一般建設業(内装仕上工事業)の許可を受けております。
⑨公正競争規約について

 当社グループは、医療機器を公正で自由な競争秩序の下に適正な価格で提供するため、自主規制団体である医療機器業公正取引協議会(以下、「公取協」という)にて制定した医療機器業公正競争規約(以下、「公正競争規約」という)を遵守しております。
 当業界におきましては、医療機器の安全で適切な使用を担保するため、医療機関からの要望に応じ、医療現場において医療機器に関する情報を提供する行為(いわゆる「立会い」)を行う場合がありますが、この「立会い」業務に係り、平成20年4月より公正競争規約に基づく運用基準(「医療機関等における医療機器の立会いに関する基準」)が施行され、一定の規制が設けられました。
 当社グループは、適正な「立会い」を行うため、従業員に当該基準を周知徹底し、医療機関にもご理解・ご協力いただくよう努めておりますが、当該基準の内容に係る当社の理解や解釈に齟齬があった場合、規約違反に問われ、販売停止や信頼低下等により、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。

⑩個人情報の管理について

 当社グループで取り扱う個人情報は、主に個人販売先や従業員の情報でありますが、機密漏洩防止規程、情報システム管理規程及び個人情報管理マニュアル等に基づき、適切な個人情報保護を図っております。しかし、予期せぬ事件・事故等で個人情報が漏洩した場合、損害賠償や信頼低下等により、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。

⑪米国海外腐敗行為防止法(以下、「FCPA」という。米国の連邦法:1977年制定)について

 当社グループは、米国メーカーの医療機器を多数取り扱っております。米国ではFCPAにより(米国から見た)外国の公務員に賄賂を提供することの禁止、適正な会計記録の保持について厳格に規制されており、世界中のあらゆる企業に適用され多くの企業が違反により摘発されております。また、医療機器業界においても厳しい執行が行われております。当社グループでは、コンプライアンスガイドラインに公的機関との適切な取引について明文化し、定期的に研修を行うことにより従業員に当該規制を周知徹底するとともに賄賂の提供が行われない管理体制を構築しておりますが、当該規制の内容に係る当社の理解や解釈に齟齬があった場合、米国メーカー及び当社グループが規制違反に問われる可能性があります。規制違反に問われた場合には、米国メーカーとの取引停止、信頼低下等により、当社グループの販売額や収益は変動する可能性があります。

(4) 業績の変動について

 当社グループの販売高の7割程度が病院、診療所等の医療機関であります。また、公的病院への販売高は2割強程度でありますが、当該病院等は12月及び年度末である3月において設備投資を集中して行う傾向があるため当社グループの販売高は毎年12月及び3月において他の月より高くなり、これに連動して利益も当該時期に増加する傾向があります。また、その反動で4月から5月にかけての販売高が他の月より低くなり、これに連動して利益も当該時期に減少する傾向があります。また、医療機関の新築、移転、増築が行われる際には、多額の医療機器の一括購入が発生し、一時的に販売高が増加する場合があります。従って、当社グループの四半期の経営成績は、通期の経営成績に連動するものではなく、四半期又は半期の経営成績だけをもって、通期の経営成績を予想することは困難であります。
 なお、平成27年6月期から平成29年6月期における各四半期の売上高及び営業利益又は営業損失の状況は、以下のとおりであります。

(5) 震災等大規模災害について

当社グループは、群馬、神奈川、静岡の3地区に物流センターを有しており、神奈川の首都圏物流センターは免震構造の建物となっております。震災等の大規模災害が発生した場合においても商品供給を維持できるようバックアップ体制の拡充に努めておりますが、災害の規模が想定を大きく上回る場合においては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

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