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子宮頸がん予防のためのHPV9価ワクチンの公費接種が4月からスタート

子宮頸がん予防のためのHPV9価ワクチンの公費接種が4月からスタート

公開日:2023.04.11

子宮頸がん予防のためのヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの定期接種としては、小学6年生から高校1年生相当までの女子を対象に2価もしくは4価のワクチンが実施されてきましたが、今年4月からは9価のワクチンが新たに追加されます。HPVワクチンは3回接種が基本ですが、9価ワクチンについては15歳未満に限って2回接種が可能となり負担が軽減されます。9価ワクチンは、2価、4価のワクチンよりも高い効果があり、子宮頸がんの罹患率や死亡率の減少につながると期待されます。

子宮頸がんは毎年1万1,000人の女性に発症

子宮頸がんとは子宮の入り口にできるがんで早期にはほとんど自覚症状はありませんが、進行するにしたがって異常なおりもの、不正出血、下腹部の痛みなどが現れてきます。毎年1万1,000人の女性が罹患し、約2,900人が亡くなっています。患者は20歳代から増え始めて、30歳代までに年間約1,000人が治療により子宮を失っています。その原因は主に性的接触によるHPVの感染で、性経験がある女性では50%以上が生涯で1度は感染する可能性があり、大半は自然に排除されますが、一部の人で持続的に感染し続け、がん化します。HPVにはがんを引き起こすリスクの高いタイプが少なくとも15種類あるとされます。既に定期接種されているHPVワクチンは、このうちがんの原因の50〜70%を占める2種類(16型、18型)の感染を防ぐ2価ワクチンと、これに性感染症の尖圭コンジローマの原因となる2種類(6型、11型)を加えた4価ワクチンがあります。小学6年生から高校1年生相当の女子が定期接種の対象となっており、半年間で3回の接種が基本です。

9価ワクチンは原因ウイルスの80〜90%を予防

今回、定期接種に新たに追加された9価ワクチンは2020年に承認されたもので、4価のタイプに加えて5種類(31型、33型、45型、52型、58型)のタイプにも効果があり、原因ウイルスの80〜90%を予防できると報告されています。そして、4月から開始される定期接種では、これまで3回とされていた接種回数が15歳未満は2回になります。(2回目の接種は1回目から6か月以上空ける)これにより接種の身体的負担が軽減されます。副反応の頻度は、4価ワクチンと比較して接種部位の痛みなどの症状は多いものの、全身症状については同程度と報告されています。これまでは全額自己負担のため約10万円かかりましたが、4月からは公費負担により無料で受けられます。

接種機会を逃した女性も公費負担で接種可能

2価・4価のHPVワクチンは2013年4月の定期接種後、体の広範囲の痛みなど多様な症状が報告されたことから、同年6月に積極的勧奨が差し控えられました。しかし、その後、多様な症状と接種の関連は確認されないとして、2022年度から積極的勧奨が再開されました。このため、接種機会を逃した1997年4月2日〜2006年4月1日生まれの女性を対象に、2025年3月まで公費負担(無料)でキャッチアップ接種が行われます。

子宮頸がんの予防はHPVワクチン接種のほかに子宮頸がん検診があり、子宮の入り口部分の表面をブラシなどで軽く擦り細胞を採取して前がん病変や子宮頸がんがないか調べます。

HPVワクチンの接種を希望する方は、自身の住んでいる自治体の情報を「〇〇市、HPVワクチン接種」などのキーワードで調べてみることをお勧めします。

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アソースナビ編集部

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