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新型コロナワクチン4回目接種は重症化予防がねらい

新型コロナワクチン4回目接種は重症化予防がねらい

公開日:2022.06.07

新型コロナウイルスワクチンの4回目接種は60歳以上の人と18歳以上の持病のある人を対象に5月25日から始まりました。3回目接種後のワクチンの有効性の持続期間や、諸外国における対応状況を踏まえ、重症化予防を目的として実施されます。

重症化は4分の1に低下

4回目接種は、3回目から5カ月が経過した人が対象となります。ワクチンはファイザー製またはモデルナ製を使用します。60歳以上を4回目の「努力義務」の対象に含めることにしました。18〜59歳で対象となる持病は、慢性の呼吸器の病気や心臓病、腎臓病、治療中か他の病気を併発した糖尿病、がんの治療中で免疫機能の低下している人、重度の精神病、肥満などとなります。持病のある人への接種券の送り方は自治体によって異なり、18歳以上の全員に配布する方式と、本人が申請して接種券を送ってもらう方式があります。

イスラエル保健省データベースを使用したファイザー製のワクチンを用いた60歳以上の高齢者約114万人を対象とした感染予防効果と重症化予防効果の検討では、3回目から4カ月以上空けて4回目を接種した人と3回目までを接種した人が比較されました。観察期間はオミクロン株流行下の2022年1月15日〜1月27日(感染予防効果)、〜2022年1月21日(重症化予防効果)。それによると、4回接種を受け12日以上経過した人では、コロナに感染した人は3回目までを接種した人と比較して約2分の1、重症化した人は約4分の1でした。高齢者に対する重症化予防効果はワクチン接種から時間が経過すると低下するため、追加接種が必要となると考えられます。

感染予防効果はそれほど高くはない

4回接種後の感染予防を示す抗体値の推移については、医療従事者274人を対象としたイスラエルの研究では、ファイザー製、モデルナ製とも4回目接種後の方が、3回目接種後よりも抗体値は高くなっていますが、それほど大きな差はみられませんでした。このことから、オミクロン株に対する感染予防効果は3回目と比べて4回目に著しく高くなることはないと考えられています。

4回目接種の副反応については、イスラエルの同研究では、ファイザー製またはモデルナ製の4回目接種後の局所反応は80.3%、全身反応は48.5%で、大多数は軽度のもので重大なものは認められず、3回目までの副反応と大きな違いはみられませんでした。

海外では重症化リスクの高い人などに限定

4回目接種を推奨している海外の国としては、英国、フランス、ドイツ、イスラエルなどで、対象者を重症化リスクの高い人や医療従事者に限定しています。3月21日時点で、①英国は追加接種から6カ月以上経過した75歳以上の人、介護施設に居住する高齢者、12歳以上の免疫不全者、②フランスは追加接種から3カ月以上経過した80歳以上の人、免疫不全状態の人、③ドイツは追加接種から3カ月以上経過した70歳以上の人、5歳以上の免疫不全者、介護施設入所者、追加接種から6カ月以上経過した医療・介護従事者④イスラエルは追加接種から4カ月以上経過した60歳以上の人、18歳以上のハイリスクの人、免疫不全者、療養施設入所者、医療従事者、ハイリスクの介護者などとなっています。

4回目接種以降もワクチンを打ち続ける必要があるかどうかについては、英国は今冬のコロナ流行の可能性を見据えて、重症化リスクの高い人に対して、さらに追加接種することも検討する必要がある、としています。

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アソースナビ編集部

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